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ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人

18世紀・フランス国王ルイ15世の最後の公妾(こうしょう)ジャンヌ・デュ・バリー夫人。マリー・アントワネットと対立した女性として名をはせたことでも有名なバリー夫人の波乱に満ちた人生は、実に興味深い。

髪の毛の長い可憐な感じの女の子が肖像画を描かれているシーンからスタート。これだけでも少女の頃から目立っていた事がわかる。貧しいお針子の私生児として生まれたジャンヌは、類まれな美貌と知性で、男たちを虜にし、パリの社交界で注目を集めるにまでになる。その魅力でベルサイユ宮殿へ届け物的に行かされるが、そこでルイ15世と瞬く間に恋に落ち、公妾の座に着くためにかつて彼女が囲われていたバリー子爵、その弟と結婚をしてデュ・バリー夫人と名前を変えて正式に社交界にデビュー。
順風満帆のように見えたが、その頃、オーストリアからフランス王太子ルイ・オーギュスト(後のルイ16世)に嫁いだマリー・アントワネットと対立したり、ルイ15世の娘である王女たちとも不協和音を放っていた。
そして、ルイ15世が天然痘で倒れてからもデュ・バリー夫人は献身的に看病をしていたが宮廷を追われてしまう。

監督・脚本・主演を務めたのは「パリ警視庁 未成年保護特別部隊」「モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由」の監督で3歳から子役として活躍しているマイウェン。「レオン」や「フィフス・エレメント」に出演時は、ウィンウィンの名前。かつてのデュ・バリー夫人のイメージとは全く違う生命力と活力のある女性を演じている。
ちなみに、今までの映画の中のデュ・バリー夫人は、はかなくて美しいイメージ。
例えば1919年の「パッション」のバリー夫人は妖艶なヴァンプ役で大スターになったポーラ・ネグリ。目元も実にセクシーで、当時風に言えば「エキゾチックでグラマラス」
1938年の「マリー・アントワネットの生涯」でのデュ・バリー夫人は、肖像画から抜け出たような、愛嬌があって可愛いグラディス・ジョージ。
1943年ミュージカル「デュバリィは貴婦人」ではコメディアンとしても有名なチャーミングなルシル・ボールが。
2006年「マリー・アントワネット」でのデュ・バリー夫人は正統派美人アーシア・アルジェント。
マイウェンは歴代のデュ・バリー夫人たちと比べると、ちょっと可愛さには欠けるが、とびきり個性的でユニークな雰囲気で見ているうちに強烈に引き込まれてしまう魅力がある。

ルイ15世をジョニー・デップが全編フランス語で演じ、王の退屈な生活や倦怠感、満たされない感情などアンニュイな雰囲気を見事に醸し出しているのも見どころ。

実際にベルサイユ宮殿での撮影で18世紀の豪華絢爛なフランス宮廷を再現しているのも一興。

言葉をたくさん知っている事で、自由な女として目覚めたジャンヌ。学びはやっぱり強い!

タイトル:『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』
公開日:2024年2月2日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
作品コピーライト: ©️2023-WHY NOT PRODUCTIONS-FRANCE 2 CINEMA- FRANCE 3 CINEMA-LA PETITE REINE-IMPALA PRODUCTIONS

©︎Laurent Dailland