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哀れなるものたち

衝撃的で刺激的、しかもショックなお話いっぱい!!

「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンが再びタッグを組んで挑んだのは、スコットランドの作家アラスター・グレイの同名ゴシック小説の映画化。2023年第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で金獅子賞を受賞したのを皮切りに、数々の映画祭などで続々と受賞をさらっている話題作。

ブルーの美しいドレスを着て、不幸な女性ベラが橋から川に飛び込むシーンからスタート。命を絶ったはずだが、風変わりな天才外科医ゴッドウィン・バクスターによってベラの胎児の脳を移植され、奇跡的に蘇生する。過去の記憶は全てなく、新しい女性として、日に日に回復し「世界を自分の目で見たい」と言う強い欲望にかられ、弁護士ダンカンの誘惑に乗り、大陸横断の旅に出る。大人の体を持ちながら、新生児の心と目線で世界を見るうちに彼女自身も見事な成長を。さまざまな経験をしながら、人間としての自由と平等にも目覚めていく。

主演のベラを演じているエマ・ストーンは今作ではプロデューサーも務めている。アカデミー主演女優賞を取った「ラ・ラ・ランド」の可愛さとは全く違う、無垢な女性から妖艶で大胆な強いイメージまで様々に変わっていく女性の姿を脱ぎっぷりよく演じきっている。
不気味な天才医師ゴッドウィン・バクスターは、ウィレム・デフォー。放浪の弁護士はマーク・ラファロ。ロンドンでベラと友情を結ぶマックスはラミー・ユセフ。船上でベラを魅了するマーサは、ドイツの名優ハンナ・シグラ。アレクサンドリアで初めての世界を見せてくれたハリーを演じたのは、ジェロッド・カーマイケル。パリの売春婦のマダムは、キャスリン・ハンター。ベラの過去を知る男アルフィーはクリストファー・アボットといった個性的な面々が脇を固めている。

世界を自分の目と体で体験する大冒険。美と感性と知性とユーモアも全て人間は学ぶ気があればどんどん自分のものにできる!!

哀れなるものたち
2023製作 142分 R18 イギリス  
原題 Poor Thing
配給 ディズニー
2024年1月26日公開