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ARGYLLE/アーガイル

スパイ映画はいつも楽しいが「アーガイル」は捻りとパンチが効いている。アーガイルとはこの映画では人気小説のタイトルでもあるスパイの名前。ソースを出すボート型のお皿を指す古い言葉でもあるが、スペルのLを一つ減らすと、有名なアーガイル柄。映画のチラシやポスターにこの柄が使用されているのも粋だ。

 ハンサムで魅力的、角刈りのヘアースタイルが決まっている世界屈指のスパイ・アーガイルがゴールドのドレスに身を包んだ女性と格好よく、バリー・ホワイトの曲に合わせて踊るシーンからスタート。だが、その女性は敵のスパイ、周りは全部敵。大立ち回りが始まる。が、それは、小説家エリー・コンウェイの本の中のお話。
 彼女は、愛猫アルフィーと穏やかに過ごしながら新作の準備を進めているそんなある日、列車で移動中に謎の男たちに命を狙われたところ、猫アレルギーのスパイのエイダンに助けられる。なんとエリーの小説が偶然にも現実のスパイの行動を言い当てていたのだ。そのために次々と事件に巻き込まれとんだことに。二転三転のびっくりが。

 監督は、「キングスマン」「キック・アス」のマシュー・ヴォーンがメガフォンを撮っている。

 美しい身のこなしでビシッとスーツを着こなしカリスマ性たっぷりにスパイ・アーガイルを演じるのは、ヘンリー・カビル。オープニングのヘリコプター・ダンスは実に華麗でインパクトがある。
 ヒロインの小説家エリー・コンウェイを演じるのは、ブライス・ダラス・ハワード。「ジュラシック・ワールド」や「ターミネーター4」などでお馴染みだが、今回は、元気でたくましいだけでなく、チャーミングに磨きがかかっている。
 エリーの母親役は、キャサリン・オハラ。監督のマシュー・ボーンも「ホーム・アローン」を見て育ったそうだが、マコーレ・カルキンのお母さん役で世界的に知られている。あの笑顔は健在。
 現実のスパイ・エイダンを演じているのはサム・ロックウェル。ジョージ・クルーニーが監督した「コンフェッション」でもCIAの暗殺工員を演じベルリン国際映画祭の男優賞を受賞。2017年の「スリービルボード」でアカデミー賞、ゴールデングローブ賞の助演男優賞を受賞した実力の持ち主。エイダン役では、アーガイルとは対照的に、洗練されていない荒削りでオシャレには全く無関心の男をユニークに演じているのも面白い。
 ベテラン、サミュエル・L・ジャクソンが元CIA副長官で現在は逃亡生活者といった設定で登場し、ビシッと雰囲気をまとめている。

誰が一体、仲間なのか敵なのか、頭をクリアにしてみないとこんがらがってしまうかも。監督のお家の猫ちゃんがエリーの愛猫アルフィーとして登場。ニャンと大活躍する!

公開表記:3月1日(金) 全国公開

配給:東宝東和
© Universal Pictures