第123回芥川賞を受賞した松浦寿輝の同名の小説を、「Wの悲劇」「ヴァイブレータ」などの脚本を手がけた荒井晴彦の4作目の監督作。原作にはない「ピンク映画へのレクイエム」をモチーフに取り入れたユニークな作品。
一人の女を愛した男二人の偶然の出会い。彼らが語る全く違う愛と、その行方ー。
手を結び合った男女が浜辺に昆布と一緒に打ち上げられている姿からスタート。女(さとうほなみ)の葬式で彼女の顔を一目見ようと、5年もピンク映画を撮れていない監督・栩谷修一(綾野剛)が訪ねるが門前払いを喰らう。栩谷にとって女は、長年同棲してた桐谷祥子。彼女が一緒に心中した男は、栩谷の親友だった。
梅雨のある日、栩谷は大家からとあるアパートの住人の立ち退きの交渉を頼まれる。アパートの男・伊藤(柄本佑)は、かつてシナリオを書いていた。不思議に馴れ馴れしい伊藤とひょんなことから酒を飲み交わすことになり、男たちのかつての恋話が展開していく。
赤裸々な男女の営みとともに、最初に出会った時のビュアーな話から、男の気持や女の心が腐っていくような出来事まで、綾野剛、柄本佑、さとうほなみの体当たりの演技が圧倒する。
これは、純愛、失恋はたまたポルノ??? それぞれの体の美しさもたっぷり披露される。
HANAKUTASHI
2023年11月10日テアトル新宿ほか全国公開