おすすめシネマ

ぼくの家族と祖国の戦争

「正しい事」とは一体誰にとってなのか、立場とは一体どんなものなのかを衝撃的に描いた作品。

 1945年、第二次大戦期のデンマーク。ドイツの占領下にあった市民大学の校長ヤコブと妻のリスは、難民を受け入れるように命じられ、理不尽な状況に追い込まれる。さらにドイツからの要求は、最初の約束とは違い一方的に人数が増え収容環境は悪化。周囲の住民たちからは、ドイツ人を敵視しているので協力するどころか病気になった難民を助ければ裏切り者の烙印を押されヤコブ一家は全てを失うであろうことは目に見えていた。

 難民を救うべきか見殺しにすべきかの判断が迫っている時、12歳の息子セアンは、難民の一人の少女と友達になり、彼女を助けようとするがー。

難民たちを助ければ、売国奴と呼ばれ周りから裏切り者扱いされるが、飢えや病気で苦しむ子供達を見過ごしていいのか。戦争が生み出したこの理不尽な状況の中で、人間性を保とうとする姿、葛藤を見事に描いている。

人間らしく生きるためには戦争はいらない!

『ぼくの家族と祖国の戦争』  
2023年/デンマーク/デンマーク語・ドイツ語/101分/カラー/シネスコ/5.1ch/英題:BEFORE IT ENDS/日本語字幕:吉川美奈子
 
8月16日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMA他全国公開

  © 2023 NORDISK FILM PRODUCTION A/S


監督・脚本:アンダース・ウォルター
出演:ピルー・アスベック、ラッセ・ピーター・ラーセン、カトリーヌ・グライス=ローゼンタール
 
配給:スターキャット 宣伝:ロングライド