給食の思い出はそれぞれあるだろう。食いしん坊の私でも、あまり給食が楽しかった思い出はない。それは、時代のせいだろうか。牛乳代わりの脱脂粉乳、あの臭いでうんざりしたものだ。たまたま美味しかったのはクジラの竜田揚げと、ちくわの磯揚げ。前者はすでに幻のメニュー。後者は、今でも続いているとか。時代によって、給食も変わっている。
1980年代の中学校を舞台に給食をこよなく愛する「給食絶対主義」の教師と「給食マニア」の生徒との食を楽しむバトルが繰り広げられる学園グルメコメディ。劇場版「おいしい給食」シリーズも3作目。
映画としては、2020年製作の「劇場版 おいしい給食 Finsl Battie」が一作目。2作目が「劇場版 おいしい給食 卒業」(2023)、そして今年、第三弾として登場したのが「劇場版 おいしい給食 Road to イカメシ」
舞台は1989年の函館。転勤してきた市川隼人扮する教師・甘利田幸男は相変わらず献立のメニューを入念にチェック。食のライバルの生徒・粒来ケンといかに出された食事を上手く美味しく食べるか密かに競っていた。これを見ていると、同じ料理でも一緒に食べたり、混ぜたりするだけで微妙に変化していく食事の面白さがわかる。
そんなある日、町長選を控えている役場から給食完食のモデル校に選ばれてしまう。そのため、楽しくワイワイ過ごしていた給食の時間は全く雰囲気を変えていく。それを危惧した甘利田はおいしい給食を守るために立ち上がる。
たかが給食、されど給食、何と美味しそうに食することか。市川隼人扮する甘利田先生が体の底から喜んだりびっくりする様は、まるでスポーツ。その仕草はアニメキャラクターのように表情豊かでチャーミングだ。こんな先生と一緒に給食をいただいたら絶対、楽しいだろうな。
おいしい給食 Road to イカメシ
5月24日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
監督:綾部真弥
製作総指揮:吉田尚剛 企画・脚本:永森裕二 プロデューサー:岩淵規
出演:市原隼人 大原優乃 田澤泰粋 栄信 石黒賢 いとうまい子 六平直政 高畑淳子 小堺一機
コピーライト:©2024「おいしい給食」製作委員会
配給 : AMGエンタテインメント